前回の記事で母乳の話題にヒートアップしてしまいました。今回は母乳は薄くなるのデマについて。
栄養成分は薄くならないが赤ちゃんには足りなくなる
昔よく言われていた母乳の栄養成分が薄くなるという噂については、森戸やすみ大先生が素晴らしいブログの記事を書いてくださっています!!!
以下、要約
母乳の成分について
実験によると出産後1ヶ月から12ヶ月まで26人の女性から母乳を採取し分析した結果、タンパク質は1-6ヶ月で15-35%減少し、その後は軽微な減少あり。糖は10ヶ月まで一定で、その後はむしろ上昇した。カルシウムは6ヶ月以降、減少傾向であった。脂肪とエネルギー量は月齢による変動がなかった。
完全母乳栄養の場合、離乳食を始める6ヶ月頃、離乳食を完了する12ヶ月頃に、母乳だけでは子供のカルシウムの一日の所要量には足りないので、食事で補う必要がある。
発展途上国で長く母乳栄養を継続することが勧められる理由
タンパク質欠乏症による栄養障害をおこさないため。出産後6ヶ月以降、若干タンパク質濃度が減るものの、母乳は栄養源としての役割を果たす。ただし、粉ミルクもあり、離乳食もタンパク質豊富なものがある日本ではクワシオルコルになることはないと考えられるが、カルシウム不足と母乳性貧血に注意が必要。
薄いの定義は難しいが・・・
タンパク質とカルシウムは確かに濃度が薄くなっているのですが、 糖が上昇、脂肪とエネルギーは一定というところで、何を持って薄いといえばいいのかが難しいところ。でも、母乳は薄いから授乳をやめるべしというのは乱暴です。
赤ちゃんのタイミングに合わせるのがベスト
森戸やすみ先生もこのようにおっしゃっています。
「もう、あなたの母乳は薄いんだから(栄養がないんだから)あげるのをやめなさい。」なんていう外野の意見には惑わされない方がいいと思います。食事も食べさせながらの母乳なら全く問題ありません。
無理に1歳頃に断乳しなくてもいいし、とはいえ無理やり2歳以上続ける必要もないということではないでしょうか。赤ちゃんのタイミングに合わせるのがベストだと思います。 授乳に関しては3冊の本を読みました(どんだけ森戸先生&マニュアル好きなんだと自分でも思います・・・)
らくちん授乳ブック
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インターネットで信頼のある情報を探すくらいなら、この本を読んだ方が早いです。インターネットの情報は玉石混合ですからね。 食べ物によって母乳の味が変わるとか、乳腺炎の謎な民間療法などそこらへんのトンデモ理論もこっぱみじんにしてくれています。
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出産・育児って医療の発達とともに世代によって推奨されることと禁じられることが全然違って争いのタネになりやすいんですよね。うまいこと祖父母世代に今の時代の流れや気持ちを伝えられる本の構成になっていました。私も義実家に早く送りつけたいと思います。
孫育てでもう悩まない! 祖父母&親世代の常識ってこんなにちがう? 祖父母手帳
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おわりに
やはり赤ちゃんのタイミングに合わせるのがベストだと思います。ただ個人的にはあまりこだわりのない1歳くらいで卒乳するとおっぱいへの執着がゼロなので楽だったなとは思いました。次の子はどうなるかな〜。
応援よろしくお願いします♩