育児と食

妊娠や育児に関する食に関する情報を専門家の立場から、母親、妊婦の立場から発信したいと思います。オーストラリアでの育児、妊娠、ジェンダー論に関する雑記も多いです。どうぞよろしくお願いします!

出生前診断をうっかり受けてしまった(後編)

前回の続きです。 今回は現実を受け入れるところから、これからどうするかまでを書こうと思います。今回は話が重いですし、出生前診断については日本ではまだもめているので、あくまで個人の意見として読んでいただけると幸いです。

atenami.hatenablog.com

 

さすがに結果を見るとひるんだ

「どんな子であっても育てる覚悟があるから産むんだ!」と第一子の時から気合いは入っていたものの、実際、それなりに高い確率を見てしまうとやっぱりひるみました。自分の中での折り合いがつくまで4日間かかりました。

まず自分の知識不足を恨み、これからの妊婦生活を能天気に過ごすことが出来なくなったことへの落胆、もし何かしらの障害を持っている場合、ちゃんと育てられるかなという漠然とした不安、小さい頃から手術ばかりになったらかわいそうなのかなとか、娘がきょうだい児になることへのちょっとした申し訳なさ(娘はその運命を受け入れているわけではないので)、自分の人生どうなるんだろうなどなど、ぐるぐる考え始めました。

まず漠然とした不安を無くすことから始めた

まず思ったのが、あまりにも知識が少ないから不安になるのだろうということ。病気については前回の妊娠時にそれなりに知っていたので、どちらかというとこれまであまり知らなかった「どんな生活をしていて、どんな未来があるのか」を調べることにしました。今の世の中便利ですねーダウン症の方の生活ブログや書籍なんて山のようにあります。(他のトリソミーについては今回は調べていません)

今回はそれなりに体系的にまとまっていそうで、でも読むのが疲れない漫画を中心に読むことにしました。精神的にちょっと疲れていたのでかたい本や文字ばかりはきつかったのです。

 一番不安が解消された本

ダウン症児の母親です! 毎日の生活と支援、こうなってる

ダウン症児の母親です! 毎日の生活と支援、こうなってる

 

 漫画ではないのですが、エッセイ調でとてもとっつきやすく、amazonのレビューも高評価だったので購入しました。たちばばかおるさんのシリーズは結局、ほぼ全部買ってしまったのですが、この1冊あれば内容は充分かもと思うくらい良くまとまっている1冊です。

私が不安だった乳児期の療育支援、育児支援、保育園、就学くらいまでをプロとの談話を交えて紹介してくれている本です。ダウン症だけではなく他の発達障害のお話もあります。

具体的なサービスも紹介してくれているので、読了後は「あれ?問題なく育児できそうじゃない?」という謎の自信まで出てきました。今のところ日本はちゃんと障害者への支援が厚いと思います。むしろ周りの偏見や差別の方が本人や家族にとっては大変なんだろうなと感じました。

まずは漫画の方がリラックスして読めるかも 

ユンタのゆっくり成長記 ダウン症児を育てています。

ユンタのゆっくり成長記 ダウン症児を育てています。

 

 同じ作者さんの漫画です。内容は上で紹介した書籍とかなり被っていますが、まずは漫画を読む方が楽に内容が頭に入るかもしれません。私も導入として先にこちらを読みました。ユンタくんはダウン症でも症状が軽い方なのもあるかもしれませんが、けっこう楽しく読めました。

なんなら健常児でもユンタくん以上に育てるのが大変な子供はたくさんいるしな・・・と思ったのが正直な感想でした。きょうだい児のことについても触れてあります。

 ダウン症児の漫画で有名な作品

のんちゃんの手のひら : 10 (ジュールコミックス)

のんちゃんの手のひら : 10 (ジュールコミックス)

 

 言わずとしれた名作!ということで、私は前回の妊娠の時に読んでいました。が、今もう一度読むとかなり疲れました。「ぜったいに普通学級に入れたい!!!」とか「社会に絶対受け入れてもらいたい」という熱意は私はあまり共感できませんでした。

knownかunknownか

私は私でいろいろ考えていたのですが、夫の方はあっさりしたものでした。

「障害がknownかunknownなだけで、育てられると思う」

とはっきり言われ、お、、、おう、こいつすごいなと思いました。そして夫は口だけではなく育児と家事どちらも積極的に出来るレアな日本人男性なので説得力があります。あとは優先順位が家族>>>>仕事なのでそこも信用ができます。男性の方が子供の障害を受け入れられず家族がうまくいかなくなるパターンもあるようですが、うちはそれは無さそうです。この人と結婚して良かった!!!

うちの家族はunknownだらけ

まず娘は早産児です。早産児は早産の影響で脳にダメージが与えられてしまった可能性があるため、自閉症を発症する確率が通常の児童より高いと言われています。それにまだ1歳半にもなっていないので、わかっていない他の障害が発見される可能性が通常の児童よりも高くなります。

次に私です。親戚に癌患者が多く、母親は47歳という若さで癌で亡くなっています。一番身近ないとこも10代で悪性腫瘍が見つかり3年間闘病生活をしました。なので、遺伝的な癌リスクとしてはかなり高めと思われます。しかも祖父と父と母は心臓もあまり丈夫ではなく、祖父は心臓の病気で長期の入院をしていました。遺伝的な心臓病のリスクもあります。

そして最後に夫。夫は身体こそ丈夫ですが、同じく母親が58歳で癌で亡くなっており、親戚にも癌患者がいます。遺伝的な癌リスクを持っています。

結局はリスクはたくさんある

今回、羊水検査まですれば13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー(ダウン症候群)・二分脊椎・特定の遺伝性疾患はわかります。でもこれは今存在する障害の一部です。知的障害や視覚障害や聴覚障害、人口の10%を占めると推測されている発達障害は生まれてからでないとわかりません。出産時のトラブルで脳性麻痺を起こし障害を背負う可能性もあります。また、生まれてから高熱を出し脳にダメージを受けたり、交通事故にあって重い後遺症が残ることもあります。学校生活の中で事故にあうこともあります。

もちろんわかっているリスクを排除するのが合理的というイギリスやオーストラリアの考え方は理解はできますが、私には共感はできませんでした。なんたって家族一同が既にたくさんのリスクを持っているので。

これからどうする?

夫との話し合いの結果、

・これ以上検査はしない

・エコースクリーニングは他の情報も知れるからこれからもする(19週にあります)

・生後1年以上生存出来ないクリティカルな障害がある場合は諦める(内臓に大きな穴があるとか、脳がないとか)

・それ以外は育てられるからどんな障害でも受け入れる

このようにして話は収束しました。

これからエコースクリーニングをするたびに何かしらの悪い結果があるかもしれないと怯えないといけないので、それは精神衛生上はイマイチですが、それなりに覚悟もできたし下調べもできたし、あとはどんと出たとこ勝負で構えるだけかなという心境にまではなんとかなりました。