最近、アメブロからツイッターのTL上から盛り上がり、Yahoo!ニュースにまでなってしまった「偽装豆腐に注意!」の記事。なんともセンセーショナルなタイトルですが、管理栄養士さんがこれを書いてしまうのか・・・そりゃ一般の人に悪いイメージがつくよね・・・とがっかりしたと同時に怒りがふつふつと。
こんにちは!アテナミです。またいろいろな誤解を招くような記事が出回っていますね。
添加物って相当悪いイメージがあるんだね・・・
話題になった記事はこれ
元のブログ記事
これを見たときは、ああまた出たねwワロスwくらいだったのですが、数日後にはまさかYahoo!ニュースに掲載されてしまうとは・・・こうやって一般消費者を恐怖に陥れていって、この人のスピリチュアルなセミナーに来させるんだろうな・・・と思うと怒りがこみ上げてきます。
今回のお話ししたいポイント
・パーム油(安いと思われている)は劇薬ヘキサンで処理したトランス脂肪酸たっぷりの廃油
・他の添加物について配合する側からの個人的なコメント
・(おまけ)現代人のカラダの不調は高度経済成長とともに培った流通、保存のための食品添加物、農薬などによる副産物
ツッコミどころが沢山ある記事なのですが、とりあえずどうしてもお話ししたい3点に絞ってみました。書いてみたところ、専門分野ということもあり、長編になってしまったので、この記事ではパーム油のお話のみお送りします。
トランス脂肪酸たっぷりのパーム油って何だよ
実は・・・大学での専門分野が油と乳化剤でした!特にパーム油とグリセリン脂肪酸エステル。なので、ここはご意見番になれるはず!としゃしゃり出てきてしまいました。まずはパーム油の作り方について社団法人 日本植物油協会さんの図がとてもわかりやすいので紹介させて頂きます。
一般社団法人 日本植物油協会HPより引用
ざっくりいうと
抽出→いらない副産物除去→濾過
という感じ
ここで例のブログの著者である管理栄養士さんが騒ぎ立てているのが、「劇薬」ヘキサンの処理と脱溶剤で高温処理する時に発生するトランス脂肪酸の発生が問題とのこと。
まず「劇薬」ヘキサンですが、種子から油を抽出する時に使う疎水性の溶媒です。食品の溶媒としてよく使われるヘキサンですが、劇薬かと言われれば微妙なところ。理系の皆さんだと、実験でしょっちゅう溶媒として使いませんでしたか?あの仲間です。厳重な場所に保管されていないレベルの薬剤です。手足にかかっちゃうこともあるし、正直、ちょっと飲んだくらいじゃ気分が悪くなる程度のケミカルです。(でも飲まないでくださいね!)劇薬って塩酸や硫酸レベルを言うんじゃないの?・・・消費者を脅すために使うかなり大げさな表現かなと。
しかも加工中の別工程で100%除去されます。食べ物の中には一切含まれません。ちゃんと追跡で分析もできるケミカルなのでご安心を。
次に脱溶剤での高温処理でトランス脂肪酸が発生する件。これは確かに発生します。ただ、微量すぎてデータが無いのです。むしろ圧縮法でも実施する脱臭の工程の方がトランス脂肪酸が発生します。どうやら専門家によると脱臭で最大3%のトランス脂肪酸が発生する*1とのことです。
圧縮法でもトランス脂肪酸は発生するよーん!!!残念だったな!!!摂取したくなかったら、自分で絞ってくれ。
脱溶剤と脱臭の工程で最大数%のトランス脂肪酸が発生しますが、それをトランス脂肪酸たっぷりの廃油っていうってどうなん?そして廃油って決めつけている根拠はどこから?食用油って表示されている時点でJAS法で決まっている品質は担保されているので、廃油なわけがありません。本当に何もかも誇張表現しすぎまたは虚偽だと思いませんか。
お願い!これ読んで!!!
添加物に関する本で読みやすくて売れている本は「添加物がこわい」系の本しかないのでオススメできるものがなかなかないのですが、とりあえず育児中の皆様には以前もオススメしたこちらの本を読んで欲しいです。お願いだから変な専門家には惑わされないでください。
第3章 食
砂糖や牛乳はよくないの?/玄米菜食が一番いいって本当?/マーガリンはプラスチック?/残留農薬が気になります/食品添加物は危険なもの?
コラム3/国産と外国産の安全性
長くなりすぎたので次回に続くよ〜
応援クリックよろしくお願いします♩
*1:生 産 と 技 術 第66巻 第4号(2014) トランス脂肪酸問題とその代替技術